取り組みの背景
三戸町では、人気絵本「11ぴきのねこ」シリーズの作者である漫画家・馬場のぼる氏の故郷です。町では、その偉業に感謝し、全国で唯一、三戸町にしかできない「11ぴきのねこのまちづくり」に取り組んでいます。
元々は、町が掲げていた「絵本を読み聞かせることで、子どもを育てたい」という思いに、11ぴきのねこシリーズの出版社であるこぐま社様のご賛同をいただき、「絵本とお話の町づくり」が始まり、そこから派生したのが「11ぴきのねこのまちづくり」です。
新生児への絵本プレゼントやボランティアによる読み聞かせ、おはなし会は今でも続いています。
取り組みの成果・反響
平成23年度から取り組んできた「11ぴきのねこのまちづくり」は、平成28年度以降、ふるさと納税の活用を始めたことで事業は大きく前進しました。ラッピングバスやラッピングトレインの運行、引退バス車両の再活用といった事業が次々と実現し、町民や観光客に親しまれる存在となりました。
また、平成25年度から設置を進めてきた石像は令和2年3月に「11ぴき」が揃い、その後も絵本に登場するキャラクターたちの設置を続けています。さらに、大阪の劇団による人形劇「11ぴきのねこ」の公演、「11ぴきのねことあほうどり」にちなんだ熱気球搭乗体験、既存施設を活用した「馬場のぼるの部屋」の整備など、これまでは予算の制約で実現が難しかった取り組みも可能となりました。
こうした継続的な取り組みにより、「11ぴきのねこのまちさんのへ」の名が全国に広まり、今では多くのファンが町を訪れてくるようになりました。
未来への想い・伝えたいこと
「11ぴきのねこのまちづくり」は、ふるさと納税の活用をきっかけに大きく前進しました。その過程では、石像めぐり等、観光に訪れる方が増え、町内の事業者は積極的に「11ぴきのねこ」を活用した商品開発に取り組み、関連グッズの売上げも順調に伸びました。
こうした観光客の姿やにぎわいは町民の意識にも変化をもたらし、当初は「11ぴきのねこ?ほかにやることがあるのでは」という声も聞かれましたが、今では「もっと町じゅうを11ぴきのねこでいっぱいにしよう!」と、応援の声が数多く寄せられるようになりました。
「絵本を通じて子どもたちの心を育てたい」。原点を忘れず、この町にしかできないオンリーワンのまちづくりを、町民・事業者・ファンの皆さまとともに育てながら、未来の世代にも誇れる「11ぴきのねこのまちさんのへ」を引き継いでいきます。