取り組みの背景
都城市は、中心市街地の空洞化や通過型消費の課題に直面していました。
かつて百貨店や商業施設が立ち並んでいた市街地も、年代を経て利用が薄れ、にぎわいの維持が難しくなっていました。
そこで、都城市は旧ショッピングモールをリノベーションし、2018年に都城市立図書館を開館。
さらに、同複合施設近隣に、民間企業と連携し、ホテルや飲食・マーケットを展開し、人が集まる拠点を取り戻しました。
また、図書館開設にあたっては、備品調達から運営までを含む設計方式(VE・O・C方式)を導入し、空間の機能性と集客性を高めました。
また、ふるさと納税寄附金は「中心市街地活性化」「既存ストックのリノベーション支援」などの事業に活用されており、中心市街地振興に向けた資金的な支えともなっています。
図書館を核に、子育て支援施設・広場・交流スペース・マルシェなどを配置し、ふるさと納税を“場づくり”にも活かしています。
取り組みの成果・反響
Mallmall(図書館、子育て支援施設、保健センター、まちなか広場等を含む複合施設)は、中心市街地の核施設として来場者数を回復・拡大させ、累計721万人が訪れています。
特に2022年度は年間延べ来場者が165万人超が来場し、図書館を目的に訪れる人の存在が広場周辺への波及を生んでいます。
図書館部分だけでも月平均10万人が訪れるなど、施設全体の軸として機能。旧モール構造を活かした回遊性の高い設計も奏功しています。
また、ふるさと納税寄附金はまちなかの公共空間整備などにも活用され、「まちなかイルミネーション」は寄附金を主財源に拡張されてきました。
これらにより、図書館を拠点としたまちなかの“居場所”づくり、交流人口の回帰、関係人口の拡大が実現しています。
未来への想い・伝えたいこと
都城市は、図書館リノベーションを起点としたまちなか再興の成功を糧に、さらに交流・にぎわい創出を加速させたいと考えています。
図書館を中心とする公共空間を核に、マルシェ、夜間イベント、アート展示、地域文化発信拠点などを連携させ、昼夜を通じて人が交わる場所を育てていきます。
また、ふるさと納税を活用したまちなか広場整備や緑地空間づくり、インフラ改善も進め、訪れた人が心地よく滞在したくなる“まち”を構築します。
こうした取り組みを通して、単なる観光誘致ではなく、地元住民・訪問者・関係人口が混じり合う“暮らしと文化の場”を創発し、交流の輪を広げるまちへと進化させていきます。
そしてこの好循環を、持続可能なにぎわいのモデルとして都城から発信したいと考えています。