取り組みの背景
日出町では、マコガレイのことを「城下かれい」と呼んで、古くから珍重されてきました。城下かれいの歴史は古く、参勤交代のおりに、将軍家への献上品として持参されていました。本町には、豊臣秀吉の正室ねねの甥・木下延俊が築城した暘谷城があり、その城下の海中に湧く真水で城下かれいは育ちます。泥臭くなく、味の良い城下かれいは昔から町の宝です。本町では、城下かれいのPRと地域活性化を目的とし、城下かれいが旬を迎える毎年5月に、本町唯一のお祭り「城下かれい祭り」を開催しています。お祭りでは、マコガレイの稚魚放流体験等城下かれいにまつわる催しの他、漁船遊覧ツアー等地域資源を生かした様々な催しを実施し、町内外からの誘客による地域振興・観光振興を図っています。近年の物価高騰等で開催も危ぶまれる中、ふるさと納税の寄附金を事業費の一部に充当することで、本年度も開催することができました。
取り組みの成果・反響
ふるさと納税の寄附金の一部をお祭り費用に充てることで、広報活動を強化することができました。結果としてお祭り2日間で約51,000人の来場者数を記録し、大いに賑わいをみせました。稚魚放流体験にも町内外から多くの参加者が集まり、城下かれいや豊かな海の魅力を広く知ってもらう機会を創出することができました。さらに、お祭りの開催により、町外の方が日出町を知るきっかけとなったことで、関係人口の拡大にも寄与しています。実際の来場者からも「日出町の特産品を知ることができ勉強になりました」、「次回の開催も楽しみにしています」と好評の声をいただきました。
未来への想い・伝えたいこと
例年お祭りで城下かれい料理を特別価格で提供する賞味会を開催してきましたが、海水温の上昇等に伴う漁獲量の減少により今年度は実施ができませんでした。そこで代替イベントとして、抽選で城下かれい料理の食事券が当たるイベントを実施し、多くの方に城下かれいをPRしました。今後も気候変動の影響を受け続ける中で、このように城下かれいを守る取り組みを絶やさず行うことが重要となります。今後は稚魚放流体験等を通じ「守り・育てる漁業」により、まちのブランド魚「城下かれい」の保全に努めたいと考えています。