取り組みの背景
本市は大宰府政庁跡や太宰府天満宮など多くの名所旧跡を擁する国際観光都市です。本市の特産品と言えば、名物梅ヶ枝餅が有名ですが、本市ならではの特産品が少なく観光消費や滞在時間の増加に繋がっていないことが課題でした。
一方、太宰府と梅の縁は非常に深く、特に梅花の宴は、1300年前の大宰府の長官大伴旅人により催され、元号「令和」の元となった万葉集にその情景が描かれており、本市は令和発祥の地として全国から注目を集めました。そんな本市は史跡地を中心に多くの梅の実が生っていますが、文化財保護の観点から商業利用が制限されていました。
しかし、規制緩和を機に大伴旅人も愛でたであろう太宰府の梅をブランディングしスイーツやご当地グルメなどに仕立て、地場みやげ産業として振興し、ふるさと納税にもノミネートするなど本市の経済税収効果の飛躍的向上を図る令和の都だざいふ「梅」プロジェクトを令和3年度に立ち上げました。
取り組みの成果・反響
本プロジェクトでは、これまで市内の高校や各企業とタイアップし、産官学連携で太宰府の梅を活用した新製品を24事業者38種類開発してきました。当初は、太宰府=梅のまちとしての認知度が低く、プロジェクトの周知に苦慮しプロジェクトに賛同する事業者が多くありませんでした。
しかし、完成した製品の発表会や様々なイベントに参加するなど多くのメディアに取り上げられたことによって本プロジェクトに取り組みたいという事業者が大幅に増えました。今では事業者同士が結び付き、太宰府の梅を活用して地域を盛り上げるための集いの場が定期的に開催されています。
本プロジェクトがきっかけとなり新規事業創出や新たなつながりづくりに繋がっており、地域の魅力発信や地域活性化を実感しています。また、本市PRキャラクターをモチーフにした統一ロゴマークを作成し、全てのプロジェクト製品に掲載することでブランドイメージの確立にも努めています。
未来への想い・伝えたいこと
ふるさと納税制度を活用したクラウドファンディングも実施するなど、梅の木の植栽や維持・管理などの運営経費として活用しています。本プロジェクトを通じて事業者同士が繋がり、お互いの強みを持ちよることで新しい付加価値を生み出すなど様々な効果が出ています。また、開発した製品をふるさと納税返礼品としてノミネートしマスコミやイベントを通じてPRすることで市のイメージや魅力アップにも繋がっていると実感しています。
本プロジェクトの効果もあり、ふるさと納税の寄附受入額も飛躍的に増加し、中学校完全給食の実現など本市の課題に取り組むことができています。今後も梅資源を核とした産業の創出だけでなく、住まう人も訪れる人も楽しむことのできる「真の梅のまち」を目指していきます。さらには、皆様からのご支援により、本市に愛着を持ってもらい、関係人口・交流人口の更なる拡大にも繋げていきます。