取り組みの背景
町内の水産加工会社では、ホタテ加工の際に大量の貝殻が排出されます。これまでは森町水産系副産物再資源化施設で受け入れ、堆肥化を行い活用してきました。
しかし、近年は需要の増加などに伴い貝殻の排出量が急増し、堆肥化処理だけでは追いつかない状況となっていました。処理しきれない貝殻は廃棄物として扱われ、環境面でも地域の課題となっていました。こうした中で、ふるさと納税の寄附金を活用し、セメント原料としての再利用を可能にするための処理費用に充てる取り組みを始めました。
従来の堆肥化に加えて新たな活用方法を確立することで、廃棄物削減と資源循環の両立が進み、持続可能な地域づくりに向けて一歩を踏み出しています。
取り組みの成果・反響
ふるさと納税を活用した今回の取り組みにより、堆肥化処理に加えて、セメント原料としての再利用ルートを新たに確立することができました。これにより、処理が追い付かず廃棄物となる恐れがあったホタテ貝殻を有効活用でき、環境負荷の軽減と資源循環の推進につながっています。
水産加工会社からは「安定した処理先が見えて安心できる」との声が寄せられ、地域にとって大きな安心材料となりました。また、環境保全と産業の両立に向けた取り組みとして評価を受け、町外からも「持続可能な水産業のモデルになるのでは」と注目を集めています。
寄附者のみなさまのご支援が、地域課題の解決に直結していることを実感できる成果となりました。
未来への想い・伝えたいこと
今回の取り組みは、ふるさと納税による寄附を活用することで、地域の課題であったホタテ貝殻の処理に新たな道を開くことができました。しかし、これはゴールではなく、持続可能な地域づくりへの第一歩です。これからも「廃棄物を資源へ」と発想を転換しながら、環境と産業の両立を目指していきます。堆肥化やセメント原料化にとどまらず、新しい再利用方法の開発にも挑戦し、資源の循環をさらに広げていきたいと考えています。そして、海の恵みを未来の世代へとつなぎ、地域の水産業が誇りを持って続けられるよう、全国からいただいた寄附の思いを力に変え、持続可能なまちの姿を形にしていきます。