取り組みの背景
今治市は2014年に「消滅可能性都市」にリストアップされましたが、衰退の流れを断ち切り、持続可能なまちに生まれ変わるため、結婚・妊娠・出産・育児の各ステージを切れ目なく支える「今治版ネウボラ」を推進し、子育て世代のニーズに応じた様々な制度の拡充や環境づくりに力を入れています。
手厚い内容の「不妊治療費助成」に始まり、出産前の学びの場となる「プレママ・プレパパセミナー」、新生児誕生のお祝いとして木のおもちゃを贈り、森林や自然を大切にする心を育む「木育」など、特色ある事業も展開しています。
また、平成の大合併で市域が広がったことやしまなみ海道の通行料負担など地域の特性に対応するため、各地域に育児の相談窓口「相談サテライト」や幼児が安心して遊べる「遊び場サテライト」の設置、さらに通院や通学時の通行料を助成する「しまなみの子どもを育む交通費支援事業」など独自の課題解決にも取り組んでいます。
取り組みの成果・反響
“子どもが真ん中”の視点で考えると、子育てに必要なことがどんどん見えてきます。商業施設内に開設した相談サテライト「子育てひろばハピ」は、「お買い物途中で気軽に立ち寄れるのがとても助かる」と好評です。また、「夏休みだけ子どもを預かってほしい」という声に応えて、学校の長期休暇中に利用できる「児童クラブホリデーコース」を始めました。利用したご家族からは「大人の見守りがあって安心できた」と嬉しい声も届いています。不妊治療の支援も「治療に向き合う勇気が湧いた」と悩みを抱えるご夫婦から感謝の声をいただき、多様な支援制度が必要な方にしっかりと届いていることを実感しています。
こうした“切れ目のない支援”が評価され、今治市は県内自治体で初めて「日本子育て支援大賞」を受賞しました。また、「住みたい田舎ベストランキング」でも3年連続・全4部門で1位を獲得し、「今治版ネウボラ」の評価が市内外で高まっています。
未来への想い・伝えたいこと
今治市は、若年層や子育て世代の女性人口の流出が多い傾向にあり、若い世代や女性に選ばれるまちへと変わらなければという思いから、令和4年度に今治版ネウボラの司令塔「ネウボラ政策課」を設置し、安心して子どもを産み育てられる環境づくりに全力で取り組んできました。しかし、人口減少の流れは依然として続いています。
だからこそ、地域の宝である子どもたちのために「今できることはすぐにやる、全部やる」の姿勢で子育て支援を一段とパワーアップし、「子育てするなら今治市」と選ばれる“子育ての理想郷”を目指して取組みを加速します。
「生まれ故郷やお世話になった地域、応援したい地域を支援する」というふるさと納税の本来の趣旨を大切に、皆さまの思いにしっかり応えるとともに、ふるさと納税を通じて多くの方々に関心を持ってもらい、今治市を応援してもらうことで、地域の持続可能なまちづくりにしっかりとつなげてまいります。