取り組みの背景
佐川町は、高知県中西部に位置する人口約1万1千人の小さなまちです。このまちに書店は1軒もなく、偶然または必然に「本」と出会い、自発的に読み、学び、価値観を広げ、自身の明るい未来を描くことのできる、そんな機会が不足していました。このような状況のなか、町立図書館「さくと」は、4千人を超える町民からの署名・要望から足掛け12年、「さかわの未来を育む学び合いの広場」をコンセプトに誕生しました。「さくと」では、子どもが読書に親しむための環境づくり、読書を支えるチームづくり、読書に親しむための情報収集・発信を柱に取り組んでいます。
図書館は、知的インフラ、コミュニティ拠点として、地域や子どもたちの将来を豊かにするために極めて重要な役割を担っています。ふるさと寄附金を活用することで、「さくと」の取り組みが、発展的、持続的なものになっています。
取り組みの成果・反響
「さくと」の年間利用者は約4万8千人です。ふるさと寄附金によるご支援は、特に蔵書の充実に繋がっています。「さくと」のユニークな取り組みとして、一般図書と児童図書を区分しない、上下混配(上段に一般図書、下段に児童図書を配架)の書架があります。これは、「子どもも大人も学び合う」をかたちにしたもので、書架の前で親子の会話が弾んでいる姿は、「さくと」が目指す光景のひとつです。また、約4千冊の絵本を配架した「子どもスタジオ」での読み聞かせ会は、子どもと本をつなぐだけでなく、子育て交流の場にもなっています。「さくと」を利用する子どもたちからは、「図書館に行くことがなかったのに行くようになりました」「さくとの本が大好きです」「いつきても、あきないぐらい楽しすぎ、ずーとこのままがいい」などのメッセージをいただき、子どもたちの誇りや郷土愛の醸成に繋がっていることを感じています。
未来への想い・伝えたいこと
【さくとを育てる会の声】
「読み聞かせに来ると、少し辛いことがあっても絵本に救われる」そんなお声がけをいただくことがありました。「さくと」は子育ての孤独な気持ちや不安を和らげ、相談できる心のよりどころになりたいと思っています。
※「さくとを育てる会」は、さくとを一緒に育てていく地域の任意団体で、読み聞かせや植栽活動を主体となって行なっています。
【図書館長の想い】
読書は、時間も空間も超え、一瞬で読み手を別世界へ連れて行ってくれ、人生に彩を与えてくれます。絵本や物語だけでなく、図鑑、写真集、マンガ、参考書も世界との出会いの場です。また、多岐にわたる事象を俯瞰し、適切な語彙を駆使して対応するコミュニケーション力も読書で培うことができます。
ここ「さくと」は、文教の町として発展してきた佐川町民の想いが詰まっています。人と人がつながり、学びの輪が広がることを期待しています。