取り組みの背景
大石田町は、かつて最上川舟運の要衝として栄えたまちで、蔵の街並みや白壁の特殊堤など、川とともに歩んだ歴史と文化が今も息づいています。一方で、令和2年7月豪雨では大きな被害を受け、現在、国・県・町が連携して横山地区の堤防整備と、町のシンボルにもなっている大石田大橋の架け替えが進められています。町では、この治水事業にあわせて川とまちが一体となった賑わいある空間をつくる「かわまちづくり」に取り組むこととし、令和5年度から町民や小中学生とのワークショップを重ね、「最上川でやってみたいこと」を一緒に考えてきました。
取り組みの成果・反響
ワークショップで町民から寄せられたアイデアを形にする場となっているのが「水辺で乾杯」です。「水辺で乾杯」は、七夕の7月7日午後7時7分を合図に、全国各地の水辺で一斉に乾杯する取り組みで、乾杯をきっかけに水辺に人が集い、その魅力を分かち合うものです。令和6年の第1回は大雨の中でも約50人が参加、「おおいしだ夜市」と題した令和7年の第2回には約300人が参加し、満足度は5点満点中4.14と高い評価をいただき、「来年も続けてほしい」との声も寄せられました。3回目となる令和8年7月は「最上川に乾杯!~かわ遊びとおおはし夜市~」と題し、数年後に架け替えが予定されている大石田大橋を舞台に、夜市やオープンテラス、蔵の一般公開、地震体験などの防災ワークショップを行い、午後7時7分には全員で最上川に乾杯しました。来場者は約1,000人と前年の3倍を超え、満足度も4.21とさらに高い評価をいただきました。
未来への想い・伝えたいこと
最上川は、舟運により町に繁栄をもたらした「恵み」であると同時に、時に暮らしを脅かす存在でもあります。「水辺で乾杯」では、川の恵みと怖さの両方を伝えることで、町民一人ひとりが最上川をあらためて自分たちの誇りとして見つめ直すきっかけを作ってきました。今後は「かわまちづくり計画」の登録に向けて、水辺空間の整備を進めていきます。最上川に育まれた自然・歴史・文化を未来に引き継ぐまちを、町民の皆さん、そして全国で応援してくださる皆さんと一緒につくっていきます。